Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

中島 直弥

ベルギー

フォンスケ - 「知恵の噴水」

中島 直弥さん

工学部 土木工学科
留学期間:2012年9月~2013年7月
留学先:カトリック大学ルーヴェン

留学先大学について

信大は学生が1万人ほどで留学生の割合が約3%なのに対してKU Leuvenは学生が4万人ほどで留学生の割合は約16%です。 KU Leuvenでは2000以上のコースが英語で開講されています。EUのエラスムス制度による留学協定を434、その他、アメリカや中国などの主要な国と協定を結んでおり、ヨーロッパの学生はもちろん様々な国籍をもった学生が学んでいます。 街の中にキャンパスが散らばっており、大学と町がリンクしています。学部ごとにバーをもっているのも特徴です。

学習面について

学ぶ意識さえ持っていれば誰にでも門が開かれています。言い換えると、過去問もなければ講義のポイントが強調されることもない、与えられた膨大な資料と格闘する日々が続きます。 関心のあった哲学や西洋絵画の授業だけでなく、より自分の専門に近い都市地理学の授業も取ることが出来ました。 都市地理学の授業は講義の他にグループワークによるレポートがあり、同世代の同じような分野を勉強している人たちと交わることで自分の足りない部分を思い知りました。

生活について

僕の住んでいた寮はベギン会修道院(世界遺産)の脇にあり、Leuvenはフランダース地方のオランダ語圏です。町中を歩いているとドイツ語の気の抜けたようなオランダ語が耳に入ってきます。 僕のルームメート(ハンガリー人)が、バディ(ベルギー人)と映画デートした際には、役者はフランス語、字幕はオランダ語で映画の内容をひとつも理解することが出来なかったそうです。 標識はオランダ語とフランス語で表され、自分達の共通言語は英語でした。なので、ベルギー人はトリリンガルが多いです。 ある日、寮内にインフルエンザが蔓延した際には、アメリカ人がくれた薬を飲み、更に熱が上がり、汗もとめどなく流れ、効き過ぎで意識が朦朧としました。病気が全快したとたん、なぜかビールに強くなりました。 ベ ルギービールは800種以上、冬季はクリスマス限定のビールが200種ほどあるそうで、ビールごとにグラスがあり、土地ごとに銘柄を持っています。 LeuvenにはあのStella Artoisの工場があり、水代わりに飲んでいました。その様はまるでフォンスケのようでした。フォンスケはLeuvenの学生のアイコンで、中央広場の 脇にある学問とビールを象徴する知恵の噴水像です。

留学で得たこと

留学以後感じていることは、今回の留学で考えたことや得たことをこの先どう意識的に繋げるかということです。写真や教科書をみてわかったと思っていたことは、わかっていなかったということです。そこには周辺環境やスケールがあって、それをみることで「わかった」の範囲が拡張されていったように思います。

後輩へのアドバイス

他の人をみていても、取る授業、住む寮、関わる人間、個人の性格などによって十人十色の留学生活があります。どこへ行っても人と関わらなければいけ ないし、その関わりの中で知識だけでは得ることのできない経験をすることも多いです。これがきっと短期の旅行と、長期の留学の違いのひとつでしょう。 幸いなことに、様々な国籍の興味深い友達に恵まれました。それぞれが意見を持っています。ただ、そうした多様性の中にもみな共通して情緒を持っています。 自分が留学してきたというよりも、そこで会った彼らに自分の留学をつくってもらったという意識が強いです。